スカッシュは相手が打ったボールをノーバウンドもしくはワンバウンドで正面の壁に打ち返すスポーツです。
打ったボールが正面の壁に当たらなかったり、ツーバウンドになってしまうと相手にポイントが入ります。
このようにスカッシュのルールは非常にシンプルなのですが、同じコート内で2人の選手が動き回るため、相手の動きやラケットを振る際に妨げたりするとレットやストロークと呼ばれるペナルティもありますので、そのあたりも含めてわかりやすく解説していきたいと思います。
イン・アウトについて
出典:リバティスカッシュコート
ラリーが始まるとサイドウォールラインとフロントウォールラインよりも外側にボールが当たるとアウト。
そして正面壁の下のティンと呼ばれる部分にボールが当たった場合「ダウン」となり、相手に得点が入ります。
ちなみにティンは鉄板になっていることが多く、ここにボールが当たると音が違うためティンに当たったことがすぐにわかります。
ライン上はアウト
テニスやバレーの場合はラインの上にボールが落ちた場合イン扱いになりますが、スカッシュの場合はライン上のボールはアウトとなります。
サービス(サーブ)について
スカッシュコートにはサービスボックスと呼ばれる長方形の小さい枠が2つあり、サーブを打つ瞬間にこの枠に必ず足が入っている必要があります。(片足でOK)
サービスは正面の壁の上のラインと下のラインの間に当て、ノーバウンドで反対側の枠に入れる必要があり、横壁に当たっても反対側のエリアに入ればOKとなります。
もしサービスボックスに足が入っていなかった場合や前壁の真ん中の線より下に当たった場合などはサーブミスとなり相手に得点が入ります。
テニスは1回目を失敗しても2回目成功すれば大丈夫ですが、スカッシュは1度しかチャンスがありませんので、サービスミスで相手に得点が入ることは極力避けなければいけません。
試合ではポイントを獲った選手がサービス権を獲得し、ポイントを獲り続けた場合ずっとその選手がサービスを行い、右・左のサービスボックスを交代しながらサーブを打ちます。
そしてサービスを受ける選手がポイントを獲った場合は、審判が「ハンドアウト」とサーブ権が変わった旨をコールしますので、左右のどちらか好きなサービスボックスからサーブを打ちます。
※サーブ権が続く場合はサービスボックスが強制的に変わりますが、サーブ権が変わった場合は自分が好きなボックスからサービスを打つことができます。
基本的なルール
スカッシュのルールは非常に簡単で、相手が打ったボールをノーバンドもしくはワンバウンドで正面の壁に当てて(返す)ラリーを続け、返すことができなかった場合に得点が入ります。
また、スカッシュ独特のルールとして横壁や後ろ壁に当てて正面の壁に当てる攻撃のやり方もあります。
※最初に横壁に当てるショットをボーストと言います
基本的には相手がいないところに打って、自分は真ん中の「T」から動かずに相手を動かしてポイントを穫れるかが勝利のポイントとなります。
レット・ストロークについて
スカッシュは同じコート内で2人の選手が動き回るため、ラケットが当たったり選手同士がぶつかるなどの危険なプレーを防ぐために「レット」と「ストローク」という独特のルールがあります。
レット
レットには「イエス レット」と「ノー レット」の2つのレットがあります。
レットとはボールを打てる場所まで移動する際やスイングの際に相手に邪魔されたと感じたと思った選手がレフリーにアピールし、アピールが受け入れられた場合「イエス レット」とコールされ、やり直しとなります。(ポイントは変わりません)
そして、アピールが受け入れられなかった場合「ノーレット」とコールされ、相手にポイントが入ります。
ストローク
ストロークとはラケットを振る範囲に相手の選手がいて、スイングをすると相手にラケットが当たってしまうと判断しスイングを止めたり、ボールを打つ方向に相手選手がいてボールを打てなかった場合にレフリーにアピールし、受け入れられた場合「ストローク トゥ 〇〇(◯◯は邪魔された側の選手の名前が入る)」とコールされ、スイングができなかった選手にポイントが入ります。
この2つのルールにより、相手の動きを邪魔するような行為をすると相手にポイントが入る可能性があるため、「自分がいる方向にボールを打ち返さない。」「相手が打つ順番になったら邪魔をしないように避ける。」ということが必要になります。
アピール方法はラケットを上げた状態でレフリーの方を見ればOK!
ゲームの流れについて
スカッシュの試合は11点選手のラリーポイント制となり、選手権や世界大会などは5セットマッチ、アマチュアの試合は3セットマッチとなります。
①ノックアップ
まず試合を開始する前にお互いに壁にボールを打つノックアップというウォーミングアップを行います。
大会によって異なりますが、右サイド90秒、左サイド90秒ノックアップを行います。
②ラケットを回しサーブ権を決める
どちらかの選手のラケットをくるくる回しサーブ権を決めます。
回す前に上か下かを選び、ラケットが倒れたときのグリップの裏に書かれているロゴが上か下かによってサーブ権が決まります。
当たったらサーブ権を獲得し、外れたらラケットを回した選手がサーブ権を獲得します。
③マーカーのコールがあったらサーブを打つ(打たれる)
ポイントが入るとマーカーがポイントのコールをします。
スカッシュは基本的にポイント表などは無く(日本選手権など大きな大会はあります)、コールでポイントを確認します。
ポイントを獲った方が最初にコールされるので、5-2で負けているときに自分がポイントを獲った場合3-5(スリーファイブ)とコールされます。
④10-10になった場合2ポイント差がつくまでゲームが続く
最後のポイントで同点になった場合、2ポイント差がつくまで行うのは卓球やバレーでもおなじみのルールですね。
⑤2セットもしくは3セット先取で勝利
これらを繰り返し、2セットもしくは3セットを先取すると勝利となります。
⑥試合後には審判を担当する
試合後には戦った選手同士で次の試合の審判を担当します。
・試合の勝者…レフリー
・試合の敗者…マーカー
審判は2人一組で行い、勝者がイン・アウトやストローク・レットなどを判断するレフリーを担当し、敗者がスコアを用紙にメモしたり、スコアのコールを行うマーカーを担当します。
スカッシュをはじめて間もない方や初めての試合の方はレフリーを担当するのは荷が重いと思いますので、その場合は当日の受付の際にレフリーをやったことがありませんと伝えると、運営の方にレフリーをお願いすることができます。
ただ、いずれは自分でできるようにならないといけませんので、近くでどのようにコールしているかなどを聞いて覚えましょう。
審判のやり方についてはこちらのページで詳しく紹介していますので参考にしていただければと思います。